傾聴から学ぶ~7つの聴き方と信頼関係の作り方

誰かに悩みを打ち明けられたことがあるでしょうか。そして相手を思ってアドバイスしたつもりなのになぜか相手が怒り出したり、それ以来関係がギクシャクするようになってしまった、余計に落ち込ませてしまった、なんて経験ないでしょうか。

一体なにが起きたのでしょうか?どうしたら本当の支えになったり、深い信頼関係を培えるのでしょうか。

「傾聴」という言葉を聞いたことがありますか。プロのカウンセラーが使う心理療法のひとつですが、そこからヒントをもらってみましょう。

*傾聴〜ちゃんと聞くために必要なこと

傾聴を言葉の意味で辞書で引くと、「熱心にきくこと」とありました。「聴」という漢字を使っていることから、ただ言葉ををきくのではなく、じっくりと心を使ってきく姿勢が伺えます。

◎まず心構え

相手の悩みを聴いたり、コミュニケーションを取るときは、相手に共感し、受け止める姿勢が大事です。そして目的とするのはその人の替わりに答えを出すことでも、こちらの価値観で相手を変えようとするのでもなく、相手の中にある答えや力を引き出すことです。

自分が他の人に何かを打ち明ける時、アドバイスを求めているようで、本当はただ聞いて欲しいだけってことありますよね。聞いて欲しいだけといっても、ふ~んで済まされたらがっかりします。

それは、聞いて欲しいの奥に、「認めて欲しい」という気持ちがあるからです。なにを認めて欲しいのでしょうか。存在そのものではないでしょうか。そしてその存在を支えているものにその人の感情や価値観などの思考、人生経験などがあります。

なので、相手が本当になにを感じているのか、どんな価値観をもっているのかに注意を払って聴くといいようです。

また、自分の経験を振り返ってみると、相手が聴いてるのか不安になることがないですか?ちゃんと聴いてるか確認すると相手は「聞いてるよ」といいます。逆に、ちゃんと聴いてるつもりなのに、「相手にきいてる?」とか、「わかってもらえないんだ」と言われちゃったことがありますか?

その誤解を避ける為に、また聴いてるつもりにならないようにどんなことができますか?

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1.態度で示す

威圧的にならないように注意しながら程よい距離を取りつつ、きちんと相手と向きあう。少し前かがみで聴くと関心があることを示せる。

2.想像力を働かせる

相手の表面的な言葉だけではなく、その背景も知ろうと努める。そうすることで相手の話をより臨場感を持って聴けるし、的外れではない自然な質問も出てきて、相手も話しやすくなり、関心を持って聴いてもらえているという満足感がもてます。 

3.相槌をうつ 

タイミングよく雰囲気に合わせることで、相手も話しやすくなります。 

4.相手の感情を受け止め反復する

「最近どうも気分が落ち込んじゃって」→「気分が落ち込んでいるんだね」

(「じゃ、気分転換しようよ!」とか「なに言ってるの、元気を出して!」などと相手の気持ちを汲み取る前に解決策を出したり、否定したりしない)

「悲しいと感じたんだね」「どうしたらいいかわからなくなってしまったんだね」など

5.相手の気持ちを支持する

相手の感情に合わせた表情を浮かべる。(ミラーリング)

「そんなことがあれば、悲しく感じるのも無理はないよ」

6.ポイントを要約する

混乱して話がぐるぐるしている相手には、掴んだポイントを要約して返すことで心の整理のお手伝いをする。

「いろんなことが重なって辛いね。聴いてると、◯◯のことが一番の原因に感じてるようだけどどうかな?」など

7.支えたいと思ってる気持ちを伝える

言葉にしてちゃんと伝えることで、相手の心もほころびます。

*注意すること

◎尋問的な質問にならないように

質問しすぎたり、責められていると感じるさせないように気をつける。

「どうしてそう思うの?」という純粋な質問も、ニュアンスに気をつけないと責められているように感じる

◎決めつけない

「この人が悩んでいるのはあのことが原因だ」「この人は、弱い人だ」「よくない考えだから変えてあげなくちゃ」

本当に聞かないとわからないものです。

◎対等さ

相談に乗っているとそのつもりがなくても上から視線になりがちです。

◎無理に結論をださせない

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せっかちになったり、沈黙を恐れて適当なことをいってしまうと台無しになってしまいます。言葉にせずとも静かにそばにいてあげるだけでもいいときがあります。時間がかかる感情もあります。

深く頷きつつ、沈黙していることで却って心の抱擁を感じてもらえるかもしれません。不自然でなければ肩に手を置くなどのやさしいタッチが大きな力になります。

◎共感と同意、同情は違う

共感とは、自分が感じることではなく「相手が感じていること」を自分のことのように感じることですね。あるいは体験を共有することとも言えます。

なので賛成できない考えや理解できない感情であってもそれを否定するのではなく、今は、そう思ってるんだね、とまずは受け止めるようにします。そしてそれを反復してみせることで、相手が自分自身の考えを見直す機会を見いだせるかもしれません。認めてもらえるだけで消化することもあるものです。

「あの人に仕返ししてやるわ!」(え~仕返しなんてよくないよ~と思っても)

「仕返ししたいほど怒ってるんだね」

「そうなのよ!おなじことしてやらないと分からないんだから!」

「そうしないと怒りが収まらない感じだね」

(などなど同意してるわけではないが、相手の気持ちを汲み取っている。)

「でもあなたに話してたらすっきりしてきたよ。もういっかな~」となったらいいですね(笑)

また、同情とは、一緒に落ち込んでしまったり感情に溺れてしまうことです。客観視できてないときは、共感とは違うと気づけます。これは、気をつけないとただの傷の舐め合いや依存になってしまいます。

◎相手の感情に飲まれない

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相手があまりにも感情的だったり、ネガティブだったり、八つ当たりされたらこちらも参ってしまいます。そんなときは、自分には3人の自分がいると考えてみましょう。

いま、その人の目の前で話を聴いている自分。そしてそれを冷静に客観視している自分、そしてそのさらに外枠からただありのままを眺めている自分。

話を聴いている自分は「役」と考えてみましょう。そのように違う視点から自分をみてみるだけでも、ダイレクトに感情の矢に当たって傷つくことを避けられるでしょう。

また、感じていることを押さえ込んでもきついものです。なので、客観視している2番目の自分が「あ~、ドロドロしてる~、やだな~」って、思ってるなぁと認めてあげるといいです。

そして、さらに余裕があれば、相手の役も、自分の役も超えたありのままを眺める自分を発見してみましょう。我を超えた視点に立つとふとクリアなものを感じます。そうすると、本当に問題が問題でなくなります。

存在を支えているものとして、感情や思考、人生経験などをあげましたが、これはその人=(イコール)感情や思考、経験というわけではありません。だから書き換えることができます。しかし、とかく人はそこを同一視してしまいます。その結びつきで苦しんでいるようなら、それを書き換えることができるのだと示唆し、そのように助けることもできます。

ここまでに「相手」を前提にした話をしましたが、これセルフカウンセリングにも使えますね。自分のこころも傾聴してみるといいですね。実は、一番傾聴を必要としているのは自分自身かもしれません。


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